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親からの呪い

ほとんどの子供は、多かれ少なかれ『親からの呪い』を受けて育ちます。


ここで言う『呪い』とは、親の価値観のこと。

親がどんな境遇で育ち、どんな信念・価値観を持って生きてきたか?

人はたいてい自分の価値観が正しいものと思って生きていますので、親は当然『教育』という名の下、その正しいことを子供に伝えようとします。


特に女性の場合には、母親からの影響が大きいことが多いでしょう。

母親を好きな子供の場合には、母親の価値観に沿って生きようとしますし、母親を嫌っている場合には、母親の価値観と正反対の生き方をしようともがきます。


母親を嫌っている子供の場合には、成長とともに嫌っているはずの母親の価値観に近いものを自分の中に見出してしまい、葛藤したりします。 

母親の生き方を嫌っていればいるほど、その嫌悪感は鏡のように自分自信に跳ね返ってくるのです。

このタイプの親の呪いを解くために大切なのは、『親をゆるすこと』。

親も他の人と同じような1人の不完全な人間として認め、親がそのような価値観を持っていることを受け入れて許します。

そうすることで、自分自身を苦しめる嫌悪感から抜け出すことができるでしょう。そこであらためて、親と自分は違う人間である、と思えるのです。



一方で、母親を尊敬して育った子供の場合です。この場合、母親は真面目でよくできた母親であることが多いもの。 子供は成長するにつれ、親から教わった価値観と自分の感じ方のズレに気づきはじめ、葛藤します。親から教わった価値観では、うまくいかないことが増えてきます。

親と子供は別の人間なのだから、それは当たり前のことなのですが…大好きな親から教わった価値観を否定してしまうことは、親を否定してしまうことのような気がして罪悪感を持ってしまうのです。


親はその信念や価値観によってうまく生きてこれたからこそ、「こういう生き方が人間としてあるべき姿」だとことあるごとに子供にも説きます。それは親からの愛情だし、子供にもそれがわかるので親の価値観に沿って生きようと努力するのですが、どうにもうまくいかない…これもまた、親の呪いなのです。

親の価値観に近づけるよう頑張ってるのに、うまく生きられない子供は

「自分はだめだ、親のようになれない、期待に応えられない」と罪悪感に苦しみます。


このタイプの呪いを解くために必要なのは、『いい子でいようとするのをやめる』ことです。自分の親も完璧な人間ではないと納得するまで、親の悪いところを探し、親に対する罪悪感の無意味さに気づきましょう。

そして、親のものではない、自分なりの幸せの掴み方を探し続けることです。



親の価値観を子供に説き続けることは、愛情と呪いの表裏一体です。

親からの呪いが強い人にとって、親からの心理的な独立は何歳になってもなかなか難しいものですが、長い目で取り組んでいかなければならない課題なのです。

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