top of page

逃げグセをなおすには



生きづらい人には『逃げグセ』があるタイプの人も多いと思います。


実はこれ、『逃げグセがある』からこそ『生きづらい』とも言えるのです。


生きていれば誰だって、嫌なことやつらいこと、困難なことにぶち当たります。


そういった、自分にとって『不快と感じること』が起こったときにどう対処してきたか?これが自分への信頼感を育てる鍵だからです。


逃げたいと思う気持ちは恐怖からくる本能


不快なものや危険なもの(敵としましょう)に遭遇したとき、私たちには2つの選択肢があります。


①逃げる

②戦う


ここでポイントになるのは、『敵が自分より強いかどうか』。


たとえばあなたが一本道を進んでいるとして、そこにあなたに敵意を持ったカブトムシが現れました。

あなたはたぶん逃げませんよね?

木の棒とかで追い払うとか、まぁとにかく『戦う』を選ぶはずです。


では、今度は大きな熊が現れたら?

『逃げる』を選択しますよね。

(死んだふりをしろとよく聞きますが、今のところベストなのはそーっと立ち去るのがいいそうです。)

少なくとも熊と正面から戦おうとはしないんじゃないかと思います。


この選択の違いは『自分が勝てそうな相手かどうか?』つまり相対的な判断。

もちろん、熊のような勝てそうにない相手を目の前にしたときは逃げるのが普通です。


敵を過大評価して自分を過小評価する

しかし逃げグセのある人は、目の前にいる『うさぎ』を熊くらい大きくて強いものだと感じてしまいます。


そして「自分にはその問題に対処できる力がない」と思ってしまうため、すぐに『逃げる』を選んでしまうのです。


失敗を極端に恐れる

さらに逃げグセのある人は、失敗への恐怖を大きく感じています。


熊ともし戦って勝てなかったら?死の恐怖を感じますよね。

つまり、戦いの失敗が死に直結するようなイメージを持っているのです。


これを日常的なことに当てはめてみると、

【失敗=自分の存在価値の否定】と考えてしまうので、少しでも負ける(失敗する)可能性があればすぐに逃げる方を選びがちです。


つまり目の前の出来事を「自分を傷つける怖いもの」と見てしまうことが、逃げグセの大きな原因と言えるでしょう。


自己肯定感があると冷静な判断ができる

一方で、自分をありのままに受け入れている人は、目の前に立ち塞がる存在のこともありのままに見極めます。


うさぎなのか?熊なのか?

そして相手が熊ならば『逃げる』けれど、うさぎなら『戦う』を選びます。



逃げられるか逃げられないか?

ひとつ視点を変えてみましょう。


もう一度、熊との遭遇をイメージしてください。


あなたの後ろに逃げ道があれば逃げられますが、もし逃げ道がなかったら?熊たちに囲まれてしまっていたら?


窮鼠猫を噛む、という諺がありますが、私たちは「逃げられない…!」と感じた時には恐怖をのりこえて開き直り、反撃に出ることがあります。

怖くても『戦う』しか生き残る可能性がないからです。


また、どうしても熊の立ち塞がっている道を通らなければならない理由があるとしたらどうでしょう。

この場合も『逃げる』という選択肢がないので、熊がどいてくれるまで恐怖と戦いながらじっと待つか、やはり『戦う』かしかありません。


ここからわかることは、逃げグセのある人は『逃げられる環境』にあり、『逃げていては達成できない目的』がないということ。


逃げグセのある人であっても、『逃げ道がない』か『どうしても進まなければいけない目的がある』場合には、『戦う』を選ぶ可能性が高いだろうということです。


(ただしすでに立ち上がる力すら残っていない場合には、命を放棄することで目の前の恐怖から『逃げる』という選択をしてしまう人も…)



逃げグセをなおすには

つまり逃げグセのある人がそんな自分を変えたいと思うなら、

物事の捉え方(認知の歪み)を修正し、完璧主義を手放して、自己肯定感を高めることに加えて…


●人生に明確な目的を持つ

●逃げられない環境に身を置く


という2つのポイントが重要なのです。


こうやって『自分のために戦う』経験を積み重ねていくと、たとえ怪我をしてしまっても「自分には逃げずに立ち向かう力がある」という自信も積み重なります。


また、普通の人は実際に生死をかけるようなレベルの問題はそうそう起こらないので、問題に立ち向かって失敗してもせいぜいプライドが傷つくか、謝ったり罰金を払ったりする程度でしょう。


プライドというのは正しく傷付けば成長の原動力になりますし、謙虚な気持ちで失敗から学ぶなら、失敗を積み重ねるほどにあなたは強くなっているはずです。


現状に不満を言いながらも問題から目を背けて逃げているうちは、いつまで経っても同じことの繰り返し。


自分のために戦うべきときは戦える、そんな力を育てましょう。

bottom of page