カサンドラ症候群とは『情動剥奪障害』とも呼ばれ、配偶者からの情緒的ネグレクトによるストレス症状のひとつです。
いわゆるアスペルガー症候群(以下ASD)の配偶者を持つ人が陥りやすいカサンドラ症候群は、情緒的なコミュニケーションの成り立たない相手との生活に行き場のないストレスを感じ、心身にさまざまな不調をきたします。
たいていの場合、配偶者がASDであることは結婚後に『身内になってから』の違和感で初めてわかることが多いため、一般的な夫婦のイメージで家庭を築こうとして結婚した人にとってASDの人との結婚生活は想定外なことの連続です。
ASDの人にとっては相手の気持ちを想像することがとても難しいので、たとえば「何が相手を傷つけているか」「相手が傷つくだろう言動とは何か」がわかりません。だから「大切な相手は傷つけたくない」という一般的な感覚の理解が難しかったりします。
大げさに言うと「情緒的な常識が通用しない相手」なのです。
その結果、自分の気持ちを押しつける一方の言動を取り続けたり、モラハラにも見えるほど無神経な言葉を投げつけて配偶者を傷つけ続けることに……
一方でASDの人は知能が高く一見どこにも問題がないように見えるので、情緒的に深くかかわらない周りの人々へは「ちょっと変わっているけれど真面目でいい人」という印象を与えます。
このASDからの「悪気のないモラハラ」を受け続けた配偶者は、周囲にもその苦痛を理解されにくく、ひとり精神的に追い詰められた結果カサンドラ症候群になるのです。
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